【受賞作のポイント】第36回全国中学生人権作文コンテスト入賞作文




内閣総理大臣賞「日本のいじめ対策は間違っている」

北海道の旭川市立永山中学校2年生の「日本のいじめは間違っている」は、ドイツでいじめの特徴を見てから日本に戻ってまったく異なるもので長期化することに間違っていると綴り内閣総理大臣賞を受賞しました。ドイツの事例は暴力的なものですが先生などが見ていて長続きをしないですが、日本では長くなることが問題だと語っています。作者は日本のいじめは精神的な苦痛を与えるため先生などが気付きにくく、対処が遅れることや周囲の人が見てても助けようとしないことにあると見ています。このため、正しく善悪の判斷を行い自分の意見を持ち他人を尊重することがいじめを防ぐことだと考えるようになり、ドイツではこのようなことができて日本ではできないことで間違っていると訴えています。

http://www.moj.go.jp/content/001216916.pdf

法務大臣賞「CHILD LABOUR」

福岡県の久留米市立田主丸中学校3年生の「CHILD LABOUR」は、絵本で涙を流している男の子の様子が気になりネットで調べてみると人権問題があることが分かり学んだ様子を書いています。「CHILD LABOUR」は日本語に訳すと子供の労働という意味になり、「児童労働」で調べるとあどけない表情の男の子が何かを持ち上げようとしながらこっちの方を向き、同じ年頃の子供たちと一緒になって遊んでいるようには見えなかったことに作者はショックを受けました。この様子はアフリカ大陸の中央のコンゴ共和国で、鉱産資源の奪い合いによって内戦が続いて世界最貧国の一つになりました。子供たちはこのような争いが原因で貧困の犠牲になり、作者はその様子に対して悲しくなっています。

http://www.moj.go.jp/content/001216917.pdf

文部科学大臣賞「輝く未来を生きるために」

宮城県の栗原市立若柳中学校3年生の「輝く未来を生きるために」は、黄疸がひどくて脳性麻痺になって車いすに乗った弟が差別や偏見を受けたことに対する疑問を綴り文部科学大臣賞を受賞しました。弟は車いすに乗っているだけで周囲からじっと見られるようになり、作者が母に聞くとかわいいからだと答えますが本人はそのように感じられなかったようです。その後、友達が弟を最初に見たとき人形と質問すると作者は弟で病気になっていると伝え、その瞬間に仲良くしてくれたことが嬉しいと感じていました。弟はこのような病気になりながら笑顔をするなど姉の作者にとっては宝物のような存在になり、障害があっても自分らしく輝ける場所を求めて頑張る姿を応援したいと締めくくっています。

http://www.moj.go.jp/content/001216918.pdf

法務副大臣賞「ハンセン病を知って学んだこと」

栃木県の宇都宮市立一条中学校2年生の「ハンセン病を知って学んだこと」は、自分自身が吃音の障害があるなど不自由な状態で生まれてこないほうが良かったと思ってましたがテレビでハンセン病を知って見直せたと綴り法務副大臣賞を受賞しました。ハンセン病は治らない病気だと言われ、患者が日本において強制的隔離状態にされ悲劇が起きました。ハンセン病は強制隔離をされて周囲から差別や偏見を受け、資料館で経験者から話を聞いて今後の人生に夢や希望を持ち感謝して命を大切にすることを誓いました。このような苦しい経験をしながらやさしく語ってくれたことでハンセン病や障害を持つ人に対し、いじめや差別などをなくしてほしいと願っています。

http://www.moj.go.jp/content/001216919.pdf

法務大臣政務官賞「『小さな人権』」

福島県の須賀川市立第二中学校1年生の「『小さな人権』」は、5歳の頃に買い物をしたときのエピソードを書いて法務大臣政務官賞を受賞しました。5歳のときに買い物をするためにレジに並びましたが、係員さんは気が付かなくて次のお客様の相手をしました。そして、その様子を見たマネージャーさんが来て割り込んだ男性とレジのスタッフに注意し、作者はその様子を思い出して年齢や性別に関係なく一人のお客様と思ってくれ人権を大切にしてくれたと感謝しています。子供は体が小さいため大人の間にいると存在が邪魔だと思われがちですが、やはり人間ですし人権があるものです。この経験をもとに小さい子供に接する大切さを綴り、尊厳と権利を守れる大人になりたいと語っています。

http://www.moj.go.jp/content/001216920.pdf

全国人権擁護委員連合会会長賞「パン一つ買えない日本」

香川県の高松市立太田中学校2年生の「パン一つ買えない日本」は、顔半分が腫れ上がった母と一緒にパンを買いに行ったときに受けたことを綴り全国人権擁護委員連合会会長賞を受賞しました。パン屋での出来事は母に対しヒソヒソと悪口を行ったりやりようのない視線が集まり、すぐに店を出て人気のない電話ボックスの陰に隠れました。すると母は涙を流しながら謝り、一人で行くように言いましたが悪いことをしていないと言い返していっしょにパン屋に戻りました。このときにも周囲の冷ややかな視線がありましたが、負けていられないと行動したことを母は喜んでいました。この経験は作者は当たり前のようだと思い、障害や病気など変わっていても平等に接することが重要だと訴えています。

http://www.moj.go.jp/content/001216921.pdf

一般社団法人日本新聞協会会長賞「なぜ、祖父母と向き合えないのか」

埼玉県の狭山市立中央中学校3年生の「なぜ、祖父母と向き合えないのか」は、認知症が進む祖父と両足の股関節の手術をして杖なしで動けない祖母に対してなぜ向き合えないのか綴り一般社団法人日本新聞協会会長賞を受賞しています。幼い頃は祖父母に面倒を見てもらったこともあり、多くの愛情を注いでもらえましたが照れくさくて手を差し伸べることができないことに疑問を感じていました。そして、祖父母の家に修学旅行のお土産を渡しに行き、京都の思い出を語って感謝してもらえました。また、祖父の部屋にある作者の書初めに対し祖父が人間は正直が一番で人から信頼されるようになりたいと話し、このような人物になれるようにしたいと締めくくっています。

http://www.moj.go.jp/content/001216922.pdf

日本放送協会会長賞「感謝」

高知県の洲脇市立須崎中学校3年生の「感謝」は、生まれたときから足首の感覚がない障害があり周りの人が色々と助けてくれたことを感謝して日本放送協会会長賞を受賞しています。作者は車椅子に乗って生活をしていますが、小学校や中学校でも周囲が障害があることを分かって接してくれました。このような良い経験をしたことで今度は自分自身が恩返しをするために一人でできることを増やさないといけないと考え、自分自身で声をかけてアピールするなど頑張ることを決心しました。作者は障害者スポーツセンターでイベントを見たことで様々なスポーツにチャレンジするようになり、車椅子バスケットをして周りの人達に対する恩返しとして活躍するよう誓っています。

http://www.moj.go.jp/content/001216923.pdf

法務事務次官賞「私を生きる」

東京都の新宿区立四谷中学校3年生の「私を生きる」は、性的少数者の人に対する差別に対して複雑な気分になることを綴り法務事務次官賞を受賞しました。作者は男女どちらの性でも良いと考えて男っぽく振る舞っていましたが、成長して周りの女の子の友達がおしゃれになっていく姿を見て女として生まれてきたことに喜びを感じるようになったようです。そして、作者自身は人間は誰しもが自分とは違うものを否定する性質を持ち、性的少数者以外に有色人種、障害者、在日外国人などの差別意識にも通じていると実感しました。最近では同性愛者が多く作者の愛する女性ミュージシャンもそうで、差別意識を持たずに普通の人間として接することが重要だと訴えています。

http://www.moj.go.jp/content/001216924.pdf

法務大臣次官賞「僕の色から見えたこと」

長野県の学校法人松商学園松本秀峰中等教育学校2年生の「僕の色から見えたこと」は、先天性の色覚異常がある作者が友達に選んだ色が違うことを言われ眼科の先生にも心配いらないと言われました。その後、父にもみんなと違う色が見えていいじゃないかと言われ、生活そのものに不便はないもののこのようなハンディキャップを通して自分が思っている以上に他人を気にする弱い自分と向き合えるようになりました。そして、違いがある一人ひとりの人間を認めじ、世の中には人種や性別、障害などで差別されることもありますが平等に扱うことが重要だと感じています。色覚異常は同じ色でも人と違って見えますが、人間としては共通しお互いのありのままを認めることが大事だと語っています。

http://www.moj.go.jp/content/001216925.pdf

法務事務次官賞「大分、今日も元気です」

大分県の大分大学教育学部附属中学校3年生の「大分、今日も元気です」は、地震が起きて買い出しに行った様子を綴り法務事務次官賞を受賞しました。緊急地震速報が鳴って揺れが起きるなど恐怖心があり、買い出しをするときに目を光らせて我先に水をカートに入れる姿でした。その前で買えなかったおばあさんに男性が水を差し出し、その姿を見て体が不自由な人のことに対して作者は考えました。そして、バスで席をゆずるなど自分自身で行動を起こすことを決め、地震を経験して自分よりも立場が弱い人を助けることが大事だと認識しています。大分県は地震によって風評被害を受けてキャンセルが相次いで静かになったものの、このようなことに負けないような温かさがあることを今日も元気ですと表現しています。

http://www.moj.go.jp/content/001216926.pdf




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